2009年 春期公演
*登場人物*
コレット:心やさしい女の子。お花を育てている。
メータン:コレットのお友達のひつじさん。コレットのお手伝いをしている。ちょっぴりいたずら好き。
リタ:やんちゃなモンスターの男の子。以前別の世界で大活躍をしたという噂も・・・
謎の男:セールスマンのようだが・・・?
第一場
ナレーション:ここはお花畑。とある世界のお花畑。今日も仲良くお水やり。
コレット:よし、これでこのお花さんたちへ水をあげるのはおしまい。次はあっちのお花たちにあげよう。
コレットに続き、メ―タンも移動する
メータン:あ、コレット!このお花さん、もう蕾が開きかけているメェ~
花の元へ駆けつける
コレット:本当!お花さん、はやく綺麗な花を咲かせてね!じゃあ次はあっちのお花たちね。
あれ、このお花さんたちはどうしたの?いつもみたいな元気がないみたい。
また別の場所へ移動する
メータン:きっとお腹を空かせているんだメェ~。それで機嫌が悪いんだメェ~
コレット:お花さん、本当にそうなの?ねぇ、ねぇってば。
花に詰め寄る
その時、メータンの後ろに何やら怪しいものが迫ってくる
メータン:ん?今後ろから誰かに突っつかれたような。
振り返る
メータン:あれ?誰も居ないメェ~。不思議だメ~。メ、メェ~~~っ!」
花がメ―タンをわっしょいしている
コレット:メ、メ―タン!?どうしたの!?」
メ―タンの悲鳴に振り向く。ははあ~ん。という風に前に向き直す。
コレット:なぁ~んだ。
お花さんたちは別に機嫌が悪かっただけじゃなくて、ただ私たちをびっくりさせようとしてただけだったのね。
もうっ、意地悪なんだから。って、メータン、メータンどうしたの!?大丈夫!?
メ―タンに駆け寄る
メータン:あまりにもびっくりしすぎて腰が抜けて動けないんだメェ~
と、ひっくり返りながら言う
コレット:ええっ!?それは大変!はやくおうちへ戻ろう!
第二場
コレット:メ―タン、腰の具合はもう良くなった?
メータン:おかげさまでどうにか元気になってきたメェ~。
それにしてもこの僕を驚かそうなんて、あのお花さんたちもひどいメェ~。」
コレット:まあまあ、落ち着いて。あの子たちはただ私たちをびっくりさせようとしただけなんだよ。
それに悪戯なら、メータンだって人のこと言えないでしょう?そう、たしかあの時は・・・・・・。
第一・五場(回想シーン)
メータン:コレット~。コレットは居ないのかメェ~?ちょうどよかったメェ~。
これでコレットに悪戯をしてやるメェ~。メェ~っ、メェっメェっメェっ!!ガ、ガ!顎はずれた!
顎直す
メータン:な、直ったメェ~。こんなとこコレットに見られたら僕が間抜けみたいじゃないかメェ~!
ま、まあとにかく、今のうちにこのぬいぐるみを置いてっと。
ぬいぐるみ(リタ)を置く
メータン:ふふふふ・・・・。コレットのびっくりする様子が目に浮かぶメェ~!
メェ~っ、メェっメェっメェっ!!ガ、ガ!また顎はずれた!とりあえず退散するメェ~!
コレット:メーターン?メーターン?んもうっ!メ―タンてばどこに行っちゃったの?
せっかく一緒においしいお菓子を食べようと思ってたのに!まあ、いっか。先に食べちゃおっと。
リタ:ぐ、ぐ、ぐが、ぐがががががががが!(←いびきね)
コレット:えっ!?な、何!?
椅子のほうへ近づいて行く
コレット:わっ!な、何かしら、この生き物は!?
リタ:あ~っ!おいしそうなお肉だなあ~。へへへへ・・・・。
全部俺様のもんだっ!いっただっきま~すっ!
リタ起きる
リタ:あ~。なんだ夢か。後もうちょっとでごちそうにありつけたのにな~。あ、あれ?ここ何処?
辺りを見回す
コレット:あ、あの・・・。あなた誰ですか?ここで何をしているんですか?
リタ:ん、ああ。俺かい?俺様はリタっていうんだ。
聞いて驚け!俺様はこう見えても今までにいろんな冒険を繰り広げてきたんだぜ!ひとつ武勇伝を聞かせてやろう。
ある日、ゆいとはやとっていう兄弟がいてだな~・・・・。
間髪入れずに自慢げに言うところを、コレットが遮る。
コレット:あ、あの・・・。
リタ:あっ、ごめんごめん。ついつい誰かに自慢したくってさ。
俺様はただ昼寝をしていただけで、気が付いたらここに居たのさ。
そこへ、メ―タンが様子を伺いに入ってくる
メータン:どうだメェ~!びっくりしただろうメェ~!
コレット:あっ、メ―タン。お帰り。
リタ:ん、何だお前は?
メータン:あっ、あれ?ぬいぐるみが喋ってるメェ~!
コレット:何言ってるの、メ―タン。よく見てごらん。この子のどこがぬいぐるなの?
メータン:だ、だっておかしいメェ~!僕がそいつを持ってきたときはぴくりとも動かなかったんだメェ~!
リタ:俺様は昼寝をしてただけだ!あっ!まさか、ここに連れてきやがったのはお前だな!?
メータン:えっ!?、ボボボボボク、何の事だか全然分からないメェ~?
リタ:すっとぼけるんじゃねぇ~!せっかくごちそうを食べる夢を見てたっていうのに!
そうだ、罰としてお前を食べちまうっていうのはどうだ!?
メータン:えええええっ!?そんな~!許してくれだメェ~!
慌てて戸外へ逃げる。
リタ:あっ、待て!俺様のごちそう!
メータンの後を追いかけて出て行く
第二場
コレット:結局、悪戯しようとしてたメータンが一番びっくりしてたね。
悪戯っぽく言う
メータン:あの時は本当にどうなる事かと思ったメェ~・・・。もう悪戯はこりごりだメェ~。
コレット:ほんとに反省してる?
メータン:ほんとに反省してるメェ~。
コレット:じゃ、今日の悪戯のことはちゃんと許してあげてね。
メータン:メェ~。
コレット:じゃ、そろそろおなかもすいてきたし、お茶にしよう。今入れてくるから待っててね。
テーブルから立ち上がると、ノックの音
コレット:ん?誰かお客さんが来たみたいね。はぁーい、今出まーす。
ドアの方へ向かう
謎の男:突然の訪問お許しください。
強引に入ってくる
コレット:ち、ちょっとあなた一体何なんですか!?
謎の男:いやあね、私お花の商売をしている者ですがね、あなた、この辺りのお花を育てているそうですね。
コレット:そうですけど、それが何か?
謎の男:じゃ、話は早い。お嬢さん私と取引しましょう。
コレット:えっ?
謎の男:お互い仲良くしようと言っているんですよ。あなたが育てた花を私が売りさばいてあなたにもお金がはいる。
どうです?悪い話じゃあないでしょう?
コレット:私、お金儲けになんて興味ありません。お引き取り下さい。
メータン:コレットもそう言ってるメェ~!とっとと帰るメェ~!
男に突っかかっていく
謎の男:痛たたたっ!な、何をするんだヤギめ!離せ!
メータン:僕はヤギじゃなくてヒツジだメェ~!メ、メェ~!
男に振り払われ、メ―タンは床に打ちつけられる
謎の男:フンッ!余計なことを。まあいい。今日のところはこれで帰らせてもらいますが、また伺います。
おっと、自己紹介が済んでいませんでしたね。私はリッシュと申します。今後ともどうぞ宜しく。
次に来るときには良い返事を期待していますよ。では。
コレット:メ、メータン!大丈夫!?怪我はない?
駆けつける
メータン:僕は大丈夫だメェ~。それより、何かお花さんたちを守る方法を考えないと!
コレット:そうね、でもいまは、体の方が大切でしょ。ゆっくりやすんでね!
メータン:メェ~。
第三場
コレット:あれから数日、とても嫌なお天気ね。何にも起こらなければ良いんだけど。
メータン:僕、胸騒ぎがするメェ~。ちょっと向こうの様子を見てくるメェ~。
コレット:ち、ちょっと、メ―タン!?
メータン:メ、メェ~!
コレット:メ―タン!?
リッシュ:やあやあ、こんにちは。お久しぶりですなあ。お元気そうで何よりです。
と言ってもこっちのヤギさんは元気すぎていきなり私の方に突っ込んでくるんですから困ったもんですな。
メ―タンは敵が連れてきた機械に捕らえられている状態
メータン:僕を放すんだメェ~!それに僕はヤギじゃなくてヒツジだメェ~!いい加減覚えろメェ~!
リッシュ:フン!そんなことはどうでも良いのだ。そうそう、コレットさん。先日のお話のことなんですが、どうです?
私に協力する気にはなっていただけましたか?
コレット:残念ですが、私の考えは今も変わっていません。どうか、諦めて下さい。
リッシュ:そうですか・・・。なら力ずくでも奪っていくのみだ!
機械が花を刈り取っていく
コレット:やめてっ!ああ、お花さんたちが・・・。一体どうすれば・・・。
メータン:う~ん、う~ん!ほ、ほどけろメェー!。ぐ、ぐえぇっ!
突然縄がほどけ、その勢いで機械に突撃し破壊する。
コレット:あっ
リッシュ:わ、私が何年もの年月をかけて作り上げた、スペシャルロボをっ!よくもっ!
メータン:め、目が回ってあわわわわわ~~~。
リッシュ:う、うわあ~~!
リッシュは吹っ飛んで行く。
第四場
コレット:メータン、メ―タン。しっかりして!
メータン:う、う~ん。コ、コレット・・・。はっ!リッシュはどうなったんだメェ~!?それにお花さんたちは!?
コレット:リッシュはメータンのおかげで飛んで行ったわ。でも、お花さんたちは・・・。
と言って、おぼつかない足どりで花の元へと近づいて行く。
コレット:ああ・・・お花さんたち、こんな姿になってしまって・・・うわああん!
コレットは植物たちの前で伏せるように泣く
メータン:元気出すんだメェ~、コレット。
メータン:コレット!これを見るんだメェ~!
コレット:えっ?・・・・・・!?
メータン:まだ、お花さんは枯れていなかったんだメェ~!
コレット:う、うわああああん!よかったああああ!
今は一輪しかないけれど、いつかまたこの場所に、たくさんのお花さんたちを咲かせようよ。
メータン:そうだメェ~!僕らならきっとできるメェ~!」
第五場
コレット:今日も良いお天気ねっ。風がとっても気持ち良い。
メータン:メェ~!お、降ろしてくれメェ~!僕、高いところ苦手なんだメェ~!
メ―タン、舞台の袖のところから叫んでいる
コレット:あはは、メ―タンたらまた悪戯されてる。
メ―タン降ろしてもらえる
メータン:ううう・・・。またお花さんたちに悪戯されたメェ~。
コレット:まあまあ、皆メ―タンのことが好きなんだよ。
メータン:だったらもう少し丁寧に扱って欲しいメェ~。全く(プンプン)!
でも、ここもお花でいっぱいになってよかったメェ~。
コレット:本当ね。今ではどこを見渡してもお花でいっぱいだもん。
リタ登場する
リタ:コレット~。あっちのお花さんたちの水やりは終わったぜ~。
コレット:ありがとう。それに、リタともお友達になれたしね。
リタ:あっ、メ―タン!?お前、棚の上にあった俺様のお菓子、勝手に食べただろう!?
メ―タンの方をむく
メータン:ち、違うメェ~!僕は少し味見しただけだメェ~!。気がついたら全部なくなってたんだメェ~!。
大体僕はこの前悪~い人をやっつけたんだメェ~!
つまみ食いのひとつやふたつは見逃してくれったっていいんじゃないのかメェ~!
リタ:なに言ってやがんだ!お前はただ目を回してただけだっただろう!
せっかく俺様がいいところで登場して、注目を浴びようと思っていたのに!
もう今日という今日は許さんぞ~っ!
メータン:ご、ごめんなさいだメェ~!
メ―タンはける
リタ:待て~~~~っ!
リタもはける
コレット:あはは。二人は本当に仲がいいのね。あっ!
花の元へと駆け寄る
コレット:わあっ、新しい芽を出してる!どうもはじめまして!これからどうぞよろしくね!
脚本執筆・監督・著作:K.I